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相続税はもはや特別な人・家の話ではない

2026/04/11

国税庁から『令和6年分 相続税の申告事績の概要』が発表されました。

〜最新データから見える、これからの相続の現実〜

大切な方を見送った後、必ず向き合うことになる「相続」。

これまでは「一部の資産家の問題」と思われがちでしたが、今は状況が大きく変わっています。そして申告をせずにいることはできません。また申告して終わりでもありません。

最新の国税庁の発表から見えてきた、相続の現実を分かりやすくお伝えします。

■ 相続は“誰にでも関係する時代”へ

   •被相続人:約160万人

         (過去最多水準)  

  •申告件数:約16.6万人(増加)  

 ・課税割合: 1割超え(10.4%)

 ・約10人に1人が相続税対象  

   •課税価格・税額ともに過去最高  

現在、日本では亡くなる方の数が増え続けています。

それに伴い、相続そのものの件数も増加しています。

さらに、税制改正の影響もあり、約10人に1人が相続税の対象となっています。

つまり「うちは関係ない」と思っていたご家庭でも、相続について考える必要がある時代になっています。

■ なぜ相続が増えているのか

主な理由は次の3つです。

① 高齢化による死亡者数の増加

団塊世代が高齢期に入り、相続の発生件数が増えています。

② 相続税の対象者が拡大

2015年の税制改正による基礎控除の縮小

(旧)5,000万円+1,000万円×法定相続人

(現)3,000万円+600万円×法定相続人

基礎控除が引き下げられたことで、

これまで非課税で対象外だった一般家庭も課税対象になりました。

その結果「うちは関係ないと思っていた」という人が増加しています。

③ 財産の増加

不動産価格の上昇や預貯金の蓄積により、

相続財産の総額が増えています。

 都市部中心の不動産価格の上昇

•地価上昇(都市圏・人気エリア)

•自宅だけで課税ライン超え

■ 財産の中身の変化

これまでの相続は「土地や家」が中心でしたが、現在は変化しています。

▶ 現在の主な特徴

•預貯金などの金融資産が増加

•株式や投資信託なども一般化

•不動産の割合は相対的に低下

その背景には

•不動産の分けにくさ

•高齢者の貯蓄増加

•投資の普及

•生前の資産整理(現金化)

といった流れがあります。

■ 1件あたりの税額は“ほぼ横ばい”

•平均税額:約1,900万円前後  

•大きな伸びはなし

理由3つ:

① “中間層”中心

課税件数が増えた最大理由は「新しく課税対象になった人」が増えたこと

しかしその層は

•大富豪ではない

•“ちょっと基準を超えた人”

つまり

        税額が比較的小さい

② 小規模宅地等の特例などで税額が抑えられる

代表的なのが

  小規模宅地等の特例

•自宅の土地 → 最大80%減額

•事業用地 → 最大80%減額

これにより

        「資産は大きいのに税額は小さい」

③ 資産は増えても“分散”している

  昔:•土地中心

                    (評価が大きくなりやすい)

今:•預貯金

  •有価証券

 •生命保険

などに分散

結果

•1つ1つはそこまで大きくない

•しかし合計で課税ライン超え

■ 財産構成の変化

•現金・預金:約35%

•土地:約30%

•有価証券:約18%  

流れ

•土地中心 → 金融資産中心へシフト

        結果

       ・“現金系資産”が課税ラインを押し上げ

•分けやすい=逆に揉める

•「均等に分ける問題」が増加

① “完全な平等”を求めやすい

  ・現金は1円単位で分けられる

  •介護していた人 →「多くもらいたい」

     関わりが薄い人 →「法律通り平等に」

          少しの差でも強い不満になる

② 生前の動きが見えにくい

•同居していた子が預金の引き出し

・送金

•使い込み(と疑われる行為)

記録がないことで他の相続人から「勝手に使ったのでは?」と疑われる

③ 感情の対立が表面化しやすい

•過去の不満

•親への関わり方の差

 ・兄弟間の関係性

   問題は「公平感」と「感情」

■  e-Taxが急増(構造変化)

•利用率:約50%(前年より+13ポイント)  

 意味すること

•税理士主導 → デジタル化・効率化

•将来的に手続きのスピード化

■ 税務調査は“強化傾向”

•調査件数・追徴税額ともに増加  

•海外資産の指摘も増加  

•「申告すれば終わり」ではない

■ 実は“税額”よりも大切な問題

相続というと「税金」が注目されがちですが、実際には税額の大小に関係なく、トラブルが起きることが多いのが現実です。

よくあるケース

•預金の管理を誰がしていたか分からない

•生前の預金引き出しをめぐる疑念

•「公平に分けたい」という思いのすれ違い

•不動産をどう扱うかでの意見対立

■ 葬儀後に必要になる“もう一つのケア”

ご葬儀が終わった後、ご遺族には次のような手続きが待っています。

•相続人の確認

•財産の調査

•銀行口座の手続き

•不動産の名義変更

•相続税の申告(必要な場合)

これらは精神的にも負担が大きく、

「何から手をつければいいのか分からない」という声が多く聞かれます。

■ まとめ

これからの相続は

「特別な人の問題」から「すべての人の問題」へ変わっています。

そして重要なのは

•早めに相続の知識を得ること

•家族で話しておくこと

•困ったときに相談できる場所を持つこと

困った時は専門家に早めに相談しましょう。

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